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2005年06月09日

千葉消防徒然話 その8

南署本署放水員置き去り事件(アハハと笑える話です。)
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>masa様

千葉市 TAK

FDNYの隊員の皆さん大変な事態で言葉もありません。
衝撃映像でなんとも重苦しい雰囲気を禁じ得ませんこの頃ですが、ここでちょっと気分を変えてアハハと笑えるお話を一つ。


毎度古い話ですが、昭和50年の初秋のことと記憶しています。
南消防署本署(現:宮崎出張所)での朝8:30の大交代時の出来事です。

爽やかな良い天気の朝で、署の建物の前にはずらりと新たに当番に就く中隊の皆さんや日勤の皆さんが整列して南署署長さんの観閲を受けながら当番署隊中隊長さん(現在の大隊長)の伝達報告を聞いていました。
本署の大交代は職員数も多いだけになかなか壮観です。

(筆者注:正確に書くと、庁舎建物2階で行われる大交代・引継ぎ・申し渡しの後に行われる甲または乙の警防関係当番中隊の1F車庫前での整列のこと)

宿直明けの中隊の皆さんはぼつぼつ帰り仕度を始めていました。
突然ピ−ポ、ピ−ポ、ピ−ポと署のスピーカーが建物火災第2出場指令を告げました。
南町か今井町あたりの火災だったでしょうか。
指令を聞き終わるやいなや整列はどっと崩れて隊員さんたちは一斉に消防車両へ駆け出しました。
ポンプ1分隊の普通化学車(CP)とポンプ2分隊が小型ポンプ車、(他に2分隊の乗換えで高発泡車が配置されていました。)
がいつものように出動準備を整えました。
救急隊はその時には救急事案出動で不在でした。
ところがその肝心な時にポンプ2分隊の小型ポンプ車のエンジンが掛かりません。
実はこの昭和43年製の2代目トヨタランドクルーザーの小型ポンプ車(FJ55V改)はディストリビューターの不具合かバッテリーの不調かで前にも数回出場時に掛りが悪くて機関員さんが必死にセルをまわしてかけたりしていました。
しかし今回はうんともすんとも掛りません。
中隊長さんと1分隊はしびれを切らして先に出てしまいました。
さあ、困りました。
そこで2分隊長さんと放水員1さんは下車してポンプ車を押し掛けしようと前へ押し始めました。(2分隊は3名乗車でした。)
脇で見ていた勤務を終えて非番になった隊員さんたちや日勤者さんたちもすかさず手伝いに入って大勢で車両を勢いよく押して前のバス道路まで出したところでようやくエンジンがブルルンと始動を始めました。
そしてそのハプニングは起こりました。

下車してポンプ車を押していた2分隊長さんはほっとして車を出させました。
ところがもう一人乗車するはずの放水員1さんは車両の後ろに回って押していたものですから車両に乗り終えないうちに2分隊長さんも機関員さんもほっとしたことと時間ロスのあせりで後ろの隊員席を振り返るゆとりがなかったんでしょうね。
小型ポンプ車は赤色灯とサイレンを鳴らして無情にも走っていってしまいます。
残された放水員1さんも声を出して必死にバス道路を駈けて追いかけましたがなんせ重い防火衣、防火帽、半長靴姿ですからバス道路上に置いていかれて、自分が乗るはずのポンプ車が遠ざかっていくのを見送りながら立ちつくしています。
さあ、非番員さんたちや日勤者さんたちはこの光景を見て腹を抱えて笑い転げています。
放水員1さんが大真面目な上下重装備のままで情けない様子で立ちつくしているだけに余計可笑さがこみ上げてきて笑いが止まりません。
不謹慎ながら私もちょっと遠くで見ていて大笑いしていました。
多分その時、署長さんも笑っていたと思います。

放水員1さんはしばし路上で呆然としていましたが、正気に返って自分の通勤用の乗用車を引っ張り出して脱いだ防火衣と防火帽を放り込むと後を追っていきました。

結果として、2分隊長さんが先に置き去りに気がついたのか、指令室よりの無線で置き去りを教えられたのかどちらが先かはいまいち定かではありません。


以上徒然のままに。


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投稿日:2001年9月22日
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投稿者 taksoho : 2005年06月09日 05:17

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